GQM(Goal-Question-Metric)とは、ソフトウェア開発やプロジェクト管理における測定手法で、目標達成のために何を測定すべきかを体系的に導き出す方法論です。GQMは、プロジェクトの成功を評価し、改善を図るために使用されます。
GQMの構成要素
- Goal(目標):
- 最初に、達成したい具体的な目標を設定します。目標は、何を達成したいのか、誰のために、どのように、なぜそれが重要なのかを明確にします。目標はプロジェクトの成功や改善に直接関連するものである必要があります。
- Question(質問):
- 目標を達成するために必要な情報を引き出すための質問を設定します。これらの質問は、目標の達成度や目標に関連するプロセスのパフォーマンスを評価するために必要です。
- Metric(指標):
- 質問に答えるための具体的なデータや測定基準を定義します。これらの指標は、目標達成の進捗状況を定量的に評価するためのものです。指標は数値化できるものであり、測定可能であることが重要です。
GQMのプロセス
- 目標の設定:
- 組織やプロジェクトの文脈において、具体的かつ実現可能な目標を設定します。目標は、例えば「ソフトウェア品質の向上」や「開発プロセスの効率化」などです。
- 質問の策定:
- 目標達成の進捗を把握するために、具体的な質問を設定します。例えば、「ソフトウェアのバグの数は減少しているか?」や「開発サイクルの時間は短縮されたか?」といった質問です。
- 指標の定義:
- 質問に答えるために必要な指標を設定します。例えば、バグの数、コードレビューの時間、顧客満足度のスコアなどです。
- データの収集と分析:
- 定義された指標に基づいてデータを収集し、目標達成度を評価します。データは、定期的に収集し、トレンドを分析することで、改善点を特定します。
- 改善策の実施:
- 分析結果に基づいて、プロセスの改善や新たな目標の設定を行います。
GQMの利点
- 目標指向の測定:
- GQMは、測定活動が明確な目標に基づいて行われるため、無駄のない効果的な評価が可能です。
- 一貫性と透明性:
- 目標から指標までが論理的に結びついているため、測定プロセスが一貫しており、関係者全員に透明な形で説明できます。
- 柔軟性:
- さまざまなプロジェクトや組織のニーズに合わせて適用できる柔軟性があります。
- 継続的改善の促進:
- 定期的なデータ収集と分析により、プロセスの継続的な改善が促進されます。
GQMの適用例
- ソフトウェア開発: ソフトウェア品質を向上させるための目標を設定し、バグの減少やテストカバレッジの向上を測定します。
- プロジェクト管理: プロジェクトのスケジュール遵守率やコスト効率を測定し、プロジェクトの成功を評価します。
- 顧客満足度調査: 顧客満足度の向上を目標とし、顧客フィードバックのスコアやリピート購入率を測定します。
GQMは、組織が戦略的な目標を達成するために測定活動を効果的に構築し、プロセスの改善を実現するための強力な手法です。