RAG(Retrieval-Augmented Generation)とは、生成系の自然言語処理(NLP)モデルに情報検索の要素を組み合わせたアーキテクチャです。この手法は、事前学習された生成モデル(通常はトランスフォーマーベースのモデル)と、検索エンジンや情報検索モジュールを統合することで、より正確で情報豊富なテキスト生成を目指します。
RAGの主なコンポーネント
- 生成モデル(Generator):
- テキスト生成を担当する部分であり、通常はGPT-3やT5などのトランスフォーマーモデルが使用されます。生成モデルは、入力プロンプトに基づいて文を生成します。
- 検索モジュール(Retriever):
- 検索エンジンやドキュメントリトリーバーとして機能し、関連する文書や情報をデータベースから検索します。このモジュールは、クエリに対して最も関連性の高いドキュメントやパッセージを特定します。
- 統合アーキテクチャ:
- 検索モジュールから取得した情報を生成モデルに供給し、最終的な出力を生成します。このアプローチにより、生成モデルはより具体的で信頼性の高い情報を生成することができます。
RAGの動作原理
- クエリの処理:
- ユーザーからの入力クエリを受け取ります。
- 情報の検索:
- 検索モジュールがクエリに基づいて関連する情報をデータベースから検索します。この情報は、クエリに対する回答のためのコンテキストとして使用されます。
- 情報の統合:
- 生成モデルが検索モジュールから提供された情報を使用して、最終的な回答を生成します。これにより、生成されるテキストは検索された情報に基づいており、より正確で有益なものとなります。
RAGの利点
- 情報の正確性向上:
- 検索モジュールを利用することで、生成モデルが最新かつ正確な情報に基づいてテキストを生成できるため、誤情報やハルシネーションを減少させることができます。
- 情報豊富な出力:
- 検索された情報を元に生成するため、出力がより詳細で包括的なものになります。
- 応答の信頼性向上:
- 外部情報源を参照することで、ユーザーに対する回答の信頼性を高めることができます。
RAGの応用例
- 質問応答システム:
- ユーザーからの質問に対して、関連する情報を検索し、精度の高い回答を生成するシステムに応用できます。